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転職でどうやって年収をあげるの? ~「年収希望と年収交渉」の勘所 ~

年収1000万への道
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 転職の経験がない方には馴染みがないかもしれませんが、転職では新卒と違い年収交渉を行うことができるタイミングがあります。一方で、転職経験がない方や年収交渉をおろそかにしてしまいがちです。納得感なく入社してしまうと、入社後に後悔をすることになります。しっかりと自らのマーケットバリューを意識して年収の希望を伝えていきましょう。3度の転職と自らもエンジニア採用を行う立場である経験から、転職における年収の上げ方や年収の上がっていく人材を解説します。

年収希望・年収交渉を行う上での心構え

 まず年収の希望や年収交渉を伝える上で大事なのは、自らのスキルや労働力を企業に提供する価値であるということを意識することです。当たり前のように思えますが、終身雇用が今まで守られていたような企業にいて、雇っていただいているという考えが強すぎる方は遠慮をしてしまうのではないかと思います。特に新卒での就職活動の経験が色濃く残っている方はそうではないかと思います。求職者が側にも選ぶ権利があり、「雇ってくださいというような会社に雇用を保証してもらうような考えではなく、自らにはこれだけのスキルがあり、会社にこれだけ貢献できると考えている。なので、このくらいの給与はいただきたい」と伝える意思が大事です。そのために日々の自己研鑽やマーケットバリューを意識した行動が必要なのは言うまでもありません。自らを高く見積もりすぎるのも問題ですが、「自分を安売りしない」という考えをしっかり持ち、市場の適正な年収をもらうということを意識しましょう。

年収希望・年収交渉のために必要な準備

 何も準備せず、根拠のない年収を伝えても企業側は雇ってくれませんし、高いお給料を提示していただくことはできません。しっかりと準備をしましょう。

現在在職する企業でしっかりと成果を出す

 エンジニアであれば、コーディングテストなど面接以外に自らの成果をアピールする場があるでしょう。しかしながら、コーディングテストは足切りの側面が強く、給与を決める上で重要になってくるのは、「今まででどんな成果を出したのか?」です。これがしっかりと職務経歴書に記載されており、面接の場で自分の言葉で語ることができることが重要です。今現在所属している企業で成果もあげていないような人材に企業は高いお給料を出すことは少ないでしょう。現職で成果を出せば、現職の給与も上がります。そうするとその給与がベースで転職時は給与を決められることが多いので、現職の昇給と転職の年収アップで二重で給与が上がっていくのです。まずは、現職で成果を出す。これが年収アップにおいて大事です。

現職を退職しないこと

 転職をする上でやってはいけないと考えられるのが、現職をやめてから転職をすることです。転職に集中できないというような記事も見かけますが、意味がわかりません。転職活動レベルの負荷の増加をマルチタスクでこなせない人材が優秀だと採用担当から感じてもらえることは少ないでしょう。そして、現職を退職してしまうと「内定が出た段階でもうここで良いか」という雇ってもらえるだけでもありがたいというようなマインドになってしまいます。一番最初に述べた心構えを持てなくなり、給与交渉も難しくなります。理由がない場合は、現職を続けながら転職活動を続けましょう。コロナの影響でリモートワークが広がっており、エンジニアであれば今までよりも転職活動はやりやすくなっているはずです。

複数社の内定を確保すること

 年収の交渉で強いカードは2つです。

  • 「今の企業で〇〇万円もらっているので、それ以下の年収では転職しない」
  • 「他社のオファーを頂いており、〇〇万円です。」

これを言われるとそれと同額、またはそれ以上の年収を出すことを検討せざるを得ません。また、企業側の担当者としても給与を決めることのできる決裁権のある人間に理由を伝えやすいのです。通常は現職よりも給与を上げたいという思いが強いでしょうから、複数社の内定をもらいオファー額を比較できる状況にするのが良いでしょう。

 複数社を受けていて志望度を問われることもありますが、新卒の時のように嘘でも「御社が第一志望です」などという必要はありません。転職では「待遇などの面で他社と比較させていただき、決めさせていただきます」と伝えて問題ありません。「志望度が低いので、この人は落とそう」などとはならないです。転職の採用では、「良い人材がいたら、どうやって来てもらうか」を考えます。むしろ、「年収面が重要な条件としてあるのだな」と選考中にわかったほうが、選考する側としてはありがたいのです。

業界・企業の年収レンジをしっかりと確認しておくこと

 企業には、募集しているボジションで想定している年収レンジというものがあります。想定年収1000万 ~1500万と書かれている求人があった場合、1600万を希望しても出すことは難しいです。また、業界によって、年収は大きな影響を受けます。平均して給与が安い業界では、同じようなポジションでも年収が安くなります。そういった業界の企業で、求人以上の年収を希望しても出すことは難しいでしょう。自分の行きたい業界と希望する年収の現実的な落とし所を想定しておくことが重要です。

 ただ例外的に、エンジニアやデータサイエンティストなどの年収は業界問わず高くなっているのが今の状況ではないかと思います。まさに取り合いといった状況です。それでも各企業が求人で出している想定年収のレンジ内で希望年収を伝えるようにしましょう。

転職エージェントなどと面談し、マーケットプライスを把握しておくこと

 ビズリーチに来る求人や転職エージェントとの面談で、どれくらいの金額でオファーが出そうか?というところをしっかり確認しておきましょう。年収は、「職種×業界×個人のスキル・実績」で決まります。仮に職種と業界が高給になり得るものだったとしても、個人のスキル・実績が低ければ高額のオファーをもらえることはありません。「コンピュータサイエンスも専攻しておらず、まったく別業界から転職希望の駆け出しエンジニアですが、年収1000万が欲しいです。」みたいなものは、どの業界であってもそもそも内定がでません。自らの市場価値もしっかりと把握し、これくらいの給与が欲しいのであればこういった職種・業界しかないというような相談をしっかりとしておきましょう。

 年収が高い業界であっても希望年収に届かない場合は、スキルや経験不足です。転職活動をする前に自らのスキルアップをしましょう。現職でスキルアップが難しい場合は、年収アップを長期的に捉えて一時的な年収ダウンも視野に入れてスキルがつく業界や会社に転職することも視野に入れてください。私の1度目の転職はそれです。マーケットバリューが上がれば、年収は長期的には高い確率アップします。私の場合は、一度下げた年収がプロフィールにあるように1000万を超える年収まで跳ね上がりました。今はそこからもう200万近く上がっています。この辺りの考え方は、下記で紹介している本を読むことをオススメします。

希望年収を伝えるタイミング

希望年収を問われるタイミングは?

転職活動は下記のようなフローで進みます。

転職活動における選考例
  • ラベル
    書類選考
  • ラベル
    コーディングテスト
  • ラベル
    一次面接(現場エンジニア)
  • ラベル
    二次面接(課長クラス、VPoE、人事)
  • ラベル
    最終面接(人事、部長、役員)
  • ラベル
    オファー面談

 あくまで一例なので、カジュアル面談もあったり、面接が1つ少なかったりする会社もあるかと思います。この中で希望年収を問われる可能性が高いのは人事が出てくるタイミングです。このタイミングで「希望年収はいくらですか?」と問われることが多いです。そのため、ここまでには根拠のある年収を述べれるようにしておく必要があります。当然、的外れな年収を答えた場合などは落とされる可能性もあります。しかし、ここで落とされることを恐れて自分の安売りをしてはいけません。入社後に後悔したり、オファー後に結局給与交渉をするハメになります。この場で「この額が出なければ、入社しない!」ということをしっかり伝えましょう。

なぜ自分を安売りしてはいけないのか?

 外資系企業や一部の企業を除いて日系の企業は「前職の給与」というを非常に重要視します。場合によっては「源泉徴収票」の提出を求められるケースもあります。つまり、一度転職で年収を下げてしまうと次の転職活動で年収面で不利になってしまうケースがあるのです。給与を下げて良い場面というのは、「そこで得られるスキルが給与以上の価値がある」など金銭的な価値よりも大きな価値がある時のみです。入社後に給与をあげれば良いという考えはあまりよくありません。なぜなら、人事制度の詳細を転職時に把握することは困難です。問い合わせれば回答してくれますが、制度と実態が乖離しているということはよくあることです。転職のリスクの大きい部分なので、入社後の昇給という不透明なものを根拠なく信用するのはあまり良くないと思います。

年収交渉のタイミングは?

 年収交渉のタイミングは労働条件を通知してもらえるオファー面談後になります。しかし、オファーというのは企業側では稟議を回した後に行われます。そのため、年収交渉をする場合は再度稟議を回すことになるので、企業側からすると負担になります。一方で、第一志望に決めていて希望年収もしっかり伝えていたが、第二志望の会社がより高い年収を出してきたということもあるでしょう。そういった場合は、その旨を伝えて給与を上げてオファーをもらえないか伝えてしまって問題ありません。むしろ、採用する側からすると悩んでいる理由を伝えてくれたほうが良いです。そして、年収交渉の末、企業側がやはり払えないとなる可能性もありますが、何も伝えられずに辞退されるよりよっぽどマシです。但し、他社のオファーなどもなく、根拠のない年収交渉はやめましょう。給与が納得いかないのであれば、なぜ選考の時に最低希望額を言ってくれなかったのか?となってしまいます。しっかりと面接の段階で希望額を伝え、他に年収アップをして欲しい根拠が出てきた場合に交渉を行うというのであれば、企業の心象は悪くなりません。

年収交渉が難しい企業

 企業の中には年齢などでガチガチに年収が決まっている企業があります。古き良き日本の大企業に多いです。こういった企業は、年収交渉は難しいでしょう。希望年収すら聞いてこないケースもあります。 

 一方でこういった企業も、その制度ではエンジニアやデータサイエンティストなどの専門スキルを持つ人材の採用ができないことに気がついています。ジョブ型雇用を始めた企業なども最近はニュースで見かけるようになりました。古き良き日本の大企業などであってもジョブ型雇用の場合は、総合職の給与テーブルとは別でオファーが出るため、交渉の余地はあります。

まとめ

  • 自分を安売りしないしないこと。市場価値を意識して、適正な給与をもらえるようにする。
  • 希望年収は人事に聞かれることが多い。そこまでにしっかりと根拠を用意して、希望額を安売りせずに伝えること。そのためには現職をやめない、複数社受けるなど「安売りマインド」にならない動き方をすること。
  • 年収交渉はしても良いが、その前にしっかりと希望年収を選考段階で伝えておくこと。交渉する時はしっかりと根拠となる他社オファーなどを用意しておくこと
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